玄伊勢さんより

「漂いゆく・・・」

「てめぇも、しつけ〜なぁ〜。」
 食料と飲み水の確保の為に停泊した無人島。その島が黄昏に紅く染まり始め
潮が満ち出した砂浜で、ゾロは漢をうつ伏せに押さえ付けながら、呆れ声を上げた。

 「当たりめぇだ。お前ら麦わらの一味を捕らえる迄、諦めるわけねぇだろうがッ。!」

 スモーカーは怒鳴りながらも、その言葉に力が無い事は、自分が重々承知していた。
スモーカーが犯した失敗は二つ、ゾロを見つけた時に一人で突っ走り、部下を置き去りにした事と、波打ち際に近付き過ぎた事である。
スモーカー達は知らなかったが、この海岸線は見た目よりも、干満の差が大きい事と、時折大波が打ち寄せる事があるのだ。
スモーカーの不運は、不覚にもその大波を被ってしまい、一瞬脱力してしまった事。ゾロの幸運は脱力したスモーカーを、
目敏く押さえ付ける事が出来た事と、満ちて行く潮の速さの為に、スモーカーの体を海水に触れさせ続ける事が出来た事である。

「海に触れると力が抜けてしまうたぁ、悪魔の実の能力もこうなるとアダになっちまうなぁ。」

剣技が通用しない、厄介なモクモクの実の能力が使えないと分かり、ゾロは何時にも増して強気に出た。

「うるせぇ、能力が使えなくても、手前ぇらを捕まえる事なんざ、造作もねぇ事なんだよッ。!」

体に力が入らなくとも、持ち前の気骨は失わないのか、ゾロの言葉に屈する事無く反発した。

「説得力が無ぇよ。」

隙あらば海から抜け出そうと、力無く身を捩るスモーカーに、半ば呆れながらも、溜息をつく様にゾロは言葉を返した。


 『・・・それにしても、こりゃ〜。』


 始めは押さえ付ける事に集中していたゾロも、余裕も出たのかスモーカーの体を見渡せば、
海水に濡れてピッタリとズボンが張り付き、体をよじる度にゾロを誘うかの如く揺れ動く、ムッチリと盛り上がった肉厚のケツから、目が離せなくなっていた。


 『最後に抜いたのは、ありゃ〜何時だったか・・・。』


 ルフィの仲間に成ってから、息つく暇も無い冒険の連続。その間に訪れる平穏な時間にも、
あの連中ではそそる事も無く、記憶を遠く遡っても思い出せないでいた。

「くそっ、離しやがれッ。!」

何時もは追い掛け回す目障りなスモーカーは、今は自由を奪われて組み伏せられている。その状況に気付いた時、
自分の下腹の奥で、ゾクリと何か重たい物が動いたのを感じたゾロは、久し振りに言い様の無い凶暴な感情が湧き上がって来た。

「手前ぇには、腐るほど借りが有るからな、ここで“俺から”返して“やる”よッ。」

そう言うや否や、ゾロは行き成り下着ごとスモーカーのズボンを引き抜いた。

「なっ、何しやがるッ。!」

突然の事に、自分の身に起こった事を理解出来ないまでも、スモーカーは顔を赤らめて叫んだ。

「だぁかぁらぁ、借りを返して“やる”ってんだろ〜。」

スモーカーの、分厚く盛り上がった尻肉に隠された尻孔に、ゾロは指を挿し込もうとしたが、尻孔は硬く閉ざして侵入を阻んだ。
それはスモーカーの海軍として、いや漢として宿敵である麦わらの一味のゾロに対する、屈服しないと言う意思表示に違いなかったが、
その誓いも直ぐにゾロによって、後悔する羽目になるのだったが。

「ちっ、硬ぇな。海軍のくせにケツを使わせた事が無ぇのかよッ。!」



ゾロは、これからケツを使う為の段取りを面倒に思い、吐き捨てる様に言う。

「そんな気色の悪ぃマネが出来るかッ。!!」

ゾロの言葉に、弾ける様に怒鳴り返せば、

「へぇ〜、気色の悪いねぇ〜。」

嘲る様な物言いで、スモーカーに返した。

「くッ。」

スモーカーは顔を背けて屈辱に震えた。
外界から隔離された、長い船上生活を強いられる海軍では
はけ口の無い性欲を仲間同士で発散させていると言う事は、暗黙の了解として黙殺されていたのだ。
スモーカー自身も入隊時から、何かと上司や同僚からその手の誘いを受けたり、そう言う場面に遭遇したりもした。
また階級持ちと成り与えられた部下からも、それらしき秋波を向けられたりもしたが、頑なに拒み続けていたのだ。
そこまで頑なに拒み続けるのは、スモーカー自身が今まで築いて来た人生を、根底から覆す事に為ると、無意識の内に恐れていたからだ。

「今からケツを解すにゃ、手間が掛かってしょうが無ぇ。こっちはもう如何にも成らないところ迄来てるんだ。先ずはこいつをなだめてもらおうか。」

ゾロはそう言うと、うつ伏せに押さえ付けていたスモーカーを引っ繰り返して、そのまま胸の上に馬乗りになった。

「ッ・・・。」

目の前に突き付けられたゾロの肉棒に、スモーカーは思わず息を詰めてしまった。
何故ならば、勃ち上がっている一物は肉棒と言うには、余りにもはばかる代物で、その一物はむしろ肉刀と言い表すのが相応しいモノであった。
そう正しく肉刀。ゾロの腰に携えて有る、あの妖刀の如く見事に反り返り、収められる鞘よりも太く、
その肉刀の刀身からは、妖気が立ち昇るかの様に、何かが立ち昇っている様にも見えたのだ。

「おらっ、気ぃ入れてしゃぶれよ。!」

ゾロはスモーカーの葉巻をむしり取ると、肉刀をその口元に突き付けた。

「ふざけるなッ、」

余りの屈辱にスモーカーの顔は赤黒くなり、額には血管が太く浮かび上がった。

「まぁ、そう言うと思ったがなッ。!」

ザブンッ。!!!

「ボッ、ガッブッッッ・・・・・。!!!!!」

ゾロは言い終わらない内に、スモーカーの顔を海の中に沈めた。

「ガボッ、ボッボッボッボッ・・・。」

スモーカーはゾロを押し退け様ともがいても、その体に力が入る訳も無く、ただされるが儘に沈められ、
残り少ない酸素を、海水と入れ替える為に吐き出すしかなかった。

ザバリッ。!

「ゲホッ、ゲホッ、ゴホッ、ゲホッ。ンンンンンッ。!!!!!」

スモーカーが吐き出す気泡が、小さく少なくなったのを確認したゾロは、スモーカーの顔を引き上げ、
咳き込む事さえ満足に出来ないでいる口に、豊かな剛毛が生え揃った鍔口まで、その肉刀を挿し込んだ。

「手前ぇは躾が無ってねぇ、海軍の犬だからなぁ。噛み付こうなんざ、くだらねぇマネをさせない為に、自分の立場ってものを教えてやるぜッ。!」

ザブンッ。ザバッ、ザバッ、ザバッ、ザバッ、ザバッ。!!!!!

「ガボッ、ガッブッッッ・・・。!?!?!?」


『噛み千切ってやるっ。!!』


そう思ったスモーカーの考えなど見通していたゾロは、肉刀を鍔口まで挿し込んだまま、
再びスモーカーの顔を海の中に沈め、そのまま腰を使い出したのだ。
堪らないのはスモーカーの方だ、唯でさえ海に触れている事で力が入らないのに、
長大なゾロの肉刀が喉奥を餌付く度に、前にも増して息を吐き出す羽目に陥ったのだ。
吐き出す息が無くなれば、顔を引き上げられて酸素を補充され、再び海の中に沈められる。
そんな事を何度も繰り返し、その間にもゾロは休む事無く腰を使い続けていた。

ザブリッ。!

「もう一度言うが…気ぃ入れてしゃぶれよ。」

ゾロはスモーカーに命じると、無慈悲に腰を使い出した。
何時もは葉巻を咥えているスモーカーの口も、今はゾロの肉刀を咥えている。
そして酸欠状態で朦朧とした意識の中、ゾロから下された“命令”は、スモーカーの脳髄にしっかりと刻み込まれ、
軍人としての本能からか、相手を認識する事も無く、忠実に遂行しだした。

 「おらっ、気ぃ入れてしゃぶれってんだろッ。!!」

強い光を携えていたスモーカーの瞳は濁り、与えられた“命令”に縋るかの如く、
必死にゾロの肉刀に舌を絡め吸い上げていた。そしてゾロが一番好む口淫は、

「くぅ〜、堪んねぇなぁ〜。!!」

どんな漢だろうが鍛える事が出来ない、喉奥の柔軟な粘膜に亀頭の先を擦り付ける事だった。
何故なら異物を排出しようと餌付く度に、粘膜が小刻みに震え、亀頭の先に絶妙な刺激を与えるのだ。
しかしそれは突き入れる側にとっての一方的な快感で、奉仕する側にとってみれば、ただ苦しいだけの行為でしかないのだが、
今はスモーカーの苦痛に喘ぐ顔もまた、ゾロをよりいっそう興奮させる要因になっていた。

「下手糞な手前ぇにゃ勿体無ぇが、イイ物をくれてやるよ。有り難く頂戴しろよッ。!」

そう言うや否や、ゾロは亀頭を喉奥の粘膜に押し付けたまま、思い出せないほど昔に溜め込まれた雄汁を、スモーカーの内へとぶち撒けた。

「ん゛ッぶッん゛ッん゛ッん゛ごッ!がッ!ん゛ぼッん゛!!!」

どれだけ長い間溜め込んだのか、その量の多さもさることながら、まるで摩り下ろしたトロロ汁の様に粘り気が有り、
口内や咽内にへばり付いて呑み込む事が出来ないばかりか、鼻腔にまで溢れ出た雄汁が鼻を詰まらせてしまい、息が出来なくなってしまったのだ。

「さすがに腰が軽くなったな。こういう物は溜めておくもんじゃねぇよな。」

ゾロは息が出来ずに、体を震わせて苦しんでいるスモーカーに気付きながらも、

「溜まっていた物を出して腰も軽くなったが、海に浸かりっぱなしで、体が冷えちまったからなぁ、次は別に溜まっているモノも出しちまおうか。なぁ、おい。!」
あえて追い討ちを掛ける事を口にした。

「ん゛ん゛ん゛―――――――――――ッ!!!」

奔流と言うべき怒涛の勢いで流し込まれたそれは、海水とは異質の塩辛さでスモーカーの口に溢れたが、
顔を潰されるほどゾロの腰に押し付けられ、吐き出す事も出来ずにいた。また粘り付く雄汁によって鼻腔が塞がれている事で、
スモーカー自身がソレの行き場は唯一つしかない事を悟っていたが、生理的拒絶から喉を開く事が出来ないでいた。
だがそれも時間の問題だった。呼吸が出来ない状態では、何時までもそうしていられる訳でもなく、
スモーカーがグビリ・グビリと大きく喉を鳴らして飲み干す音は、波音に打ち消される事無くゾロの耳にまで届いたのだった。

「ふぅ〜、スッキリしたぜ。!手前ぇにしつこく追い掛け回されていたからな、濃くなってたのは手前ぇ自身の舌で、十分味わって分かっただろうが。」

スモーカーの胃の中に全てを流し終えると、ゾロは腰に押さえ付けていたスモーカーの顔を放り捨てた。

「コォ〜、ホォ〜、コォ〜、ホォ〜、コォ〜、ホォ〜。」

スモーカーはゾロに罵声をぶつける事もせず、新鮮な酸素を取り込む為に深呼吸を繰り返したが、
息をする度にあれの独特の臭気が匂ったが、それは直ぐにより強い匂いを放つ雄汁の匂いによって、押さえ込まれてしまった。

「どらッ、小便で洗い流せたか、見せてみなッ。!」

ゾロはスモーカーの顎を掴むと、口を開かせて覗き込んだ。

「おおぉッ。!!まだ残っているじゃねぇかッ。!さすがにあれだけ溜め込んでいれば、粘着くってかッ。!!アッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。!!!」

いまだスモーカーの口の中に、雄汁が松脂の様に糸を引いて残っていたのがよほど嬉しいのか、ゾロは大きく笑い声を立てた。
しかしそれはスモーカーには笑い事にはならなかった。何故ならば、息をする度にゾロの雄汁の匂いがするだけでなく、
海水と小便の塩辛さで焼けた喉を癒す為、唾を飲み込む度にゾロの漢を味わう事になっていたからだ。

「それじゃ〜、今度は俺を愉しませろよッ。!」

スモーカーを四つん這いにして、むっちりとした尻肉を割り、隠された秘所を覗き込んだゾロは、

「チッ。!面倒くせーなー。」

よほど仇敵に手間を掛けるのが面倒なのか、心底嫌だと言う言い方をしたが、

「だがそうだなぁ、処女地を俺の好きにするってのも一興か。」

何かを思い付いたのか、ニヤニヤと色悪な笑みを浮かべると、

「ペッ。」

スモーカーの見た目からは反して、慎ましくすぼまった尻孔に唾を吐き付けると、
メリメリと音を立てて、その肉刀でスモーカーの肉を切り裂きながら、無理矢理貫いた。

「ガァッ―――――――――――ッ。!!!」

さしものスモーカーも、彼の処女地を切り裂かれる激痛には耐える事が出来ないのか、
今までに無い叫び声を上げて一瞬失神したが、すぐさま無慈悲な抽挿を始めたゾロの肉刀によって、地獄の激痛の中に意識を引き戻されたのだ。


パァァァァァンッ。!!


「俺を喰い千切る気かッ。!力を抜けってんだよッ。!!」

一度高々と音を立てて尻肉を叩き、絞り込んでくる尻孔を緩める様に命じたが、
最早己の体をどうにも出来ないスモーカーは、ただ苦痛の呻き声を上げる事しか出来ないでいた。

「チッ。手間をかけさせるんじゃねーよッ。!」

吐き捨てる様に言ったゾロは、肉刀でスモーカーを貫いたまま、海の中に腰を落とした。

「グゥゥウッゥ―――――――――――ッ。!!」

肉刀を抜き差しする度に隙間から流れ込む海水が、肉刀で切り裂かれた肉壁を焼き、
スモーカーを戦慄かせるだけで無く、傷口から直接体内に海水が入り込む為に、縮こまる臓腑を弛緩させた。
「ふぅ〜、最初からこうしときゃ良かったんだよ。血のおかげで滑り具合も丁度いいしな。

こうしてみると手前ぇのケツは名器だな、みっちりと絡み付いて俺を離さねぇしなッ。!!」

ゾロの肉刀を喰い千切るほどに、強靭に鍛えられていたスモーカーの筋肉が、
臓腑だけでなく体中弛緩した事で、返って功を奏した結果となった。
それは弛緩した筋繊維一本一本が、本来持つ圧力だけで纏わり付き、肉刀を隙間無く柔らかく包み込み、
更に埋め切れなかった隙間を、とろりと流れ出る血が満ちて潤滑液となり、痛みに震える体が絶妙の振動を生む事で、
己が今迄買ったどの娼婦以上の名器に変わっていたと言う事を、スモーカー自身が知らずにいた。
そしてそれは、スモーカーに望まぬ悦びを知らしめる結果となった。

「あぅ、あっ、ふんっ、ああぁ、はぅん、あふぅん、んんっ。!!」

脱力した体がゾロの全てを受け入れる事で、今まで知らずに済んだ己の底深い悦び所を知り、嬌声を抑える事が出来いないと言う辱めを受けたのだ。

「何だかんだ言っても、手前ぇもやっぱり海軍の人間だな。初めてだってのに、もうビン勃ちになって感じてんじゃねーかよッ。!」

ゾロがスモーカーの血の通った大砲を扱き立てた事で、肉刀で切り刻まれていると言うのに、
自分が気付かぬ内に、かつて無い異常な興奮に囚われている事を知り、そして自分が誇る大砲が暴発寸前である事を知った。

「だがよぉ〜、犬っころイヤ、便所が何気分出してんだよッ。!!」

ゾロは大砲から打ち出す為に砲身へと引き上げられた、二つの砲弾を握り潰すと、それらが納められた火薬袋ごと力任せに引き下げた。

「ガァ――――――――――――ッ。!!」

暴発は砲身ではなく、スモーカーの目の裏に起こり、視界の全てを灼熱の白で埋め尽くした。

「便所ってのはよ〜、人間様に使われてナンボのもんだろうがッ。気分好く浸っているんじゃねーよッ。!!」

ゾロは火薬袋の根元を、ミチミチと音を立てて、皮が裂けるまで引っ張ると、

「まぁ俺は優しいからなッ、浸りたいと言うなら浸らせてやるぜぇ〜。手前ぇの初めての漢の顔ってのを拝ませてよぉ〜。!」

スモーカーを尻孔だけを高々と上げる形で仰向けにすると、肉刀を真下に向けてズタズタと突き刺した。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛―――――――――――ぁ゛ぁ゛ッ。!!!」

もしこの場に誰かが居たのならば、スモーカーが上げたそれは悲鳴でありながらも、誰もが淫悦の咆哮だと言い切っただろう。

「なぁに、目ぇ瞑ってんだよぉ〜。」

淫悦に苦悶している為に、硬く目を瞑っているスモーカーが気に入らないのか、
ゾロはまぶたの裏に指を入れると引き上げ、開ききった瞳孔の為に、焦点が合っていないと知りながら、無理矢理視線を自分に向けて数発殴り付けた。

「手前ぇの状態なんて関係無ぇんだよッ。!“命令”に従う、俺を愉しませるッ、それが手前ぇの存在理由だろうがッ。!!」

そう吼えると、スモーカーの丘のように盛り上がった胸肉に齧り付き、本気で喰い千切る積もりなのか、皮膚を突き破って血を流す噛み跡を幾つも残した。

「ッヒギィ―――――――――――ッ。!!!」

強靭な筋肉が生む弾力は独特の歯応えを与え、ゾロの新しい遊びをよりいっそう愉しいものにした。
それだけでなく、両の胸を飾る乳首に噛み付くと、ギリギリと歯で磨り潰しながら顔を引いた。
それはまるで枝に付いているグミの実を摘み取る事無く、歯だけを使って引き千切ろうとしている様に見えた。




あれからどれだけ長い時間、そしてどれだけゾロの雄汁を注ぎ込まれたのか分からない。
既に沈み切った太陽の代わりに、青白く輝く月が海原を照らして、何時の間にか引き潮が始まっていた。

「おらぁ、もう一発ッ。!」

塩枯れした喉ではもう呻き声も出ないのか、スモーカーは自分の横に打ち上げられた魚の目の様に、
ドンヨリと濁った目をして、ふいごの様に無音で呼吸を繰り返しているだけだった。

「ふぅ〜。まだ犯り足りねぇが、いい加減腹も減った事だしな、まぁ、このへんにしておくか。」

死体の様に反応が無くなったスモーカーに飽きたのか、脚を海に向けうつ伏せになったスモーカーをその場にうち捨てると、
本当に空の胃袋を膨らます事に関心が移ったのか、そのまま立ち去って行った。




疼く、ジクジクと・・・疼く。
男達の羨望と嫉妬の眼差しを向けられていた、美しい曲線を描いていた大胸筋も今は、ゾロによって本当に噛み千切られたかの様に歯形で飾られ、噛み荒らされた乳首は無残にも腫れ上がり、噛み跡が残る吐き捨てたガムの様に変わり果て、たらたらと血を滲み出していた。
しかしまだ腰まで海水に浸かっているスモーカーは、指一本さえ動かす事も出来ずに、ゾロが残した噛み跡から湧き上がる疼痛に苛まされていた。
そしてその身を苛む疼痛に今は、痛みを和らげる為に触れたいと言う思いは遠く、かつては一度も考えた事の無い思いで触れたいと欲していた。




疼く、ジクジクと・・・疼く。
肉刀に貫かれた尻孔は、ゾロの形を覚えているのか、それとも忘れたくないのか、ぽっかりと開いたまま蠢き、
決して閉じようとはせず、洞窟の様に口を開け、波が打ち寄せる度に潮が流れ込んで疼かせていた。




疼く、ジクジクと・・・疼く。
スモーカーはその疼きを、肉刀が切り裂いた傷に、潮が沁みる為の疼きだと思いたかった。いや、思い込まなければ成らなかった。
何故ならば、その疼きが傷に海水が沁みこむためでは無く、別の理由で疼いていると言う事を、認めたくは無かったからだ。
だが認めようと認めまいと、その疼きを癒すものは何であるのかは、スモーカー自身が誰よりも知っていて、
そしてスモーカー自身が、求めなくてはならないものだと言うことも知っていた。




疼く、ジクジクと・・・疼く。
打ち寄せる波音以外には何も聞こえぬ砂浜の上、うつ伏せに横たわる漢の股座で、口を開いている洞窟が、
打ち寄せる波に洗らわれる度に、白く揺らめく物が海へと流れ出て行った。

その白い物は不思議な事に海原の彼方、水平線の向こうまで一本の紐の様に伸びて、
波間に揉まれ様とも、決して途中で切れる事無く、遠く何処までも続いていた。



月明かりに照らされて更に白く輝いて・・・。



ただ静かに・・・。

ただ静かに、漂っていた・・・。


【終】